スペシャル企画
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オリンパス フレックスについて

 2001.8.25.
2004.10.11.更新

By E.SUZUKI

 オリンパスでは,珍しい2眼レフカメラシリーズ「オリンパス フレックス」は、残念ながら1952年発売のT型から1956年発売のA3.5U型までの短命に終わった。機種は、下記の6機種であるが、その中でも特に見分けがつかないのが、初代T型とB型で、またBU型のことをB型と呼んでいる方もおられる。そこで、今回はT型とB型の見分け方をテーマにいたしました。画像をクリックしていただけると詳細画像が見れます。(貴重な元箱画像や取扱説明書も見られます。)このレポートの内容は、私が調べられる可能な範囲で書いたもので、例外や誤りがあるかもしれません。とりあえず、皆さんの御参考程度にとどめておいていただきたい。(一部画像は、準備中です。今しばらくお待ちください。)

機種名
発売時期
価格
画像 レンズ
上段:Finder下段:Taking
シャッター
セルフタイマー
シンクロ接点
ソケット方式
その他の特徴
T型
1952(昭和27)年8月
¥52,000
Zuiko75mmf2.8
F Zuiko75mmf2.8
Seiko#0 B.1〜1/400
セルフタイマー付き
F接点
コダック式ソケット
フード内にミラーがあり、フードを倒すとアイレベルでのピント調整ができるようになる。シリアルナンバー表示が<NO.*******>である。現存数は少ないと思われる。
B型
1953(昭和28)年2月
¥48,000
Zuiko75mmf2.8
F Zuiko75mmf2.8
Seiko#0 B.1〜1/400
セルフタイマー付き
F接点
コダック式ソケット
T型のアイレベルでのピント調整を不可として(ローライのパテントがあったため),フードを倒すとアイレベルの素通しファインダーとなった。シリアルナンバー表示が単に<*******>となった。
BU型
1953(昭和28)年10月
¥43,000
Zuiko75mmf2.8
F Zuiko75mmf2.8
Seiko#0 B.1〜1/400
セルフタイマー付き
X接点
ドイツ式ソケット
B型と比べて,フード部を簡略化し、シンクロソケットがドイツ式となった。また、巻き上げダイヤルとフォーカシングダイヤルのローレット目が荒くなった。
A3.5型
1954(昭和29)年11月
¥23,000
Zuiko75mmf3.5
D Zuiko75mmf3.5
Seiko#00 B.1〜1/500
セルフタイマーなし
X接点
ドイツ式ソケット
廉価版のためか、レンズにフィルターを固定する爪がなくなった。
A2.8型
1955(昭和30)年11月
¥26,000
Zuiko75mmf2.8
D Zuiko75mmf2.8
Seiko#0 B.1〜1/400
セルフタイマー付き
X接点
ドイツ式ソケット
フィルターを固定する爪とセルフタイマーが復活。
A3.5U型
1956(昭和31)年6月
¥29,000
Zuiko75mmf3.5
D Zuiko75mmf3.5
Seiko#00 B.1〜1/500
セルフタイマーなし
M,F,X接点
ドイツ式ソケット
A3.5型との違いは、フィルター固定の爪があることと,前面レンズ下部にシンクロ接点の選択レバーが付いたこと。


 実は,オリンパスには、その他にまだ2眼レフを開発していた。
 オリンパス アイ44(EYE FLEX)である。1959年に発表されたものの、ベスト版フィルムを使った40×40mmサイズの将来性を危惧してか発売されなかった幻のカメラである。
 また、このカメラには、2種類の試作品があることも知られている。そのことに関しては、「カメラレビューNo.11 P.127〜」(アサヒソノラマ1980年)に詳しく掲載されている。

アイ 44
(EYE FLEX)
T型 U型
画像準備中


参考文献 :クラッシックカメラ専科No.20「オリンパスのすべて」(アサヒソノラマ)、
       カメラレビューNo.11(アサヒソノラマ)、
       特集記事「カメラ史全カタログCAMERA GRAPHY」(日本カメラ)、
       オリンパスフレックス取り扱い説明書(オリンパス光学工業株式会社)、
       オリンパス光学工業株式会社のホームページ。

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